わたしのキャラメル王子様・番外編

悠君の話によると、ルークは自分から他人に触れることは平気なんだけど、普通の感覚をもってる私たちでも他人には触れられたくないパーソナルな部分



いわゆる顔、なんて場所に触られるとなると表情が強ばって撮影が中断しちゃうらしい。



それで内容を変更しようとか、役者を変えようって話にまでなったんだけど、当麻君がそこを譲らなかったみたい。



どうやらこれは『天使三部作』とファンの間で呼ばれる連作曲の完結部にあたるらしい。ラストで役者が変われば確かにファンは戸惑うかも。



ルークは子供なりにプロ意識が高くて、役を下ろされるかもと知って思わず控え室を飛び出してしまった。



それで迷子になっていたところを、悠君に拾われたんだ。



スタッフが血眼で探し回ってたら、運営の簡易テントにふたりが戻ってきた。



しかもお手々つないで楽しそうに(それも日本語で)カエルの歌を輪唱してたから、居合わせた幹部が悠君に白羽の矢を立てたんだろう。



そういえば、そのときもうすでに悠君はルークの涙を拭いてあげてたんだよね。



SNSで誰かが呟いてたもん。
イケメンが子供を泣き止ませたって。
そりゃ、天使からもモテちゃうわけだ。

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