わたしのキャラメル王子様・番外編

だけど悠君は、ルークのママにすごく嫌われてしまったらしい。勝手にチューイングキャンディーなんてものを食べさせたことがバレたんだって。



ルークは徹底的な食事管理をされているみたいで、そんな子に駄菓子を与えたことはもちろん



もしアレルギーとかあったらどーすんのよ!ってママの逆鱗に触れてしまったんだとか。
だけどルークは悠君の耳元でこっそりこう言った。



『キャンディーには他に何味があるの?』って。



「子供時代に駄菓子が存在しないなんてあり得なくない?撮影頑張ったらラムネ味あげるって約束しちゃった」



「わかるそれ。うちらからチョコレートやアイスを取り上げるようなもんだよね?コンビニに新商品が出たときのときめき奪われるようなもんでしょ?」



「そうそう。子供がぷっちょもハイチュウも知らないとか、なんか泣きそうになった。いまだに食べてる俺って何よ?」



「わかる!わかりすぎるっ!」



「なんでOKしました」



「そうきたか!」



私がしばらく無言でいると、悠君は2個目のケーキ(モンブラン)のてっぺんに載っていた、おっきな和栗を私にくれた。



くれた、っていうか。



「スキキライはダメだってば!」



「沙羅にはなんでバレるのかなぁ」



ふふっ、て嬉しそうに笑ってる。
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