暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】

表面だけの寵愛








あれから直ぐ私を妃へ迎える任命書が下され、その事は国中だけでなく、他国にさえ知れ渡ることとなった。


客室を使っていた私は妃になったと言うことで、新しい部屋へ移動となり、


前以上に豪華な部屋に驚いている。


「お妃様。新しい花をそちらの花瓶に飾って置きますね!」

「えぇ。ありがとう」
 

問題なのは………………陛下の寝室が近い事なのよね。


そして、問題はそれだけじゃなく


____コンコンコン。


「___余だ」

____ガチャ。


「仕事が早く終わったがゆえ妃の顔を見に来たのだ」


こうして陛下が良く部屋へいらっしゃるようになった。


「わざわざこの様な場所へ足を運んで下さり申し訳ありませぬ…」


「何を言う。愛しい妃の為だ。自然と足がそちらへ向かうと言うものだ」


「………ま、まぁ!とても恐縮でございますわ」


まぁ、それには理由があり、私達がこんならしくない会話をしている事もそれに含まれているのだが……。


それは昨日の会話での事_____。



『そうだ。そなたと夫婦になるにあたっていくつか決めごとをしよう』


『決めごと………ですか?』


『王に妃が出来るということは、国にとっても政治にとっても大きく影響を与える。見せ方によっては敵国に威厳を見せつけることができる』


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