暴君陛下の愛したメイドⅠ【完】



私の家の場合、お父さんが国に関係する仕事をしているお陰で姉は大学に通えているが、贅沢は決してしない。


そもそも贅沢したいとも思わないが、地元のご飯が私にとっては豪華に感じるし、弟の進学のこともある為贅沢は禁物。


(国がお金を負担してくれる制度とかあったら、貧しくとも優秀な者が表で活躍できる世界になると思うのに……………)


決して口に出しては言わないが。


「では、余は部屋に戻るとしよう」


すました顔でそう言うと、陛下は近くに待機させていた使用人を引き連れて部屋から出て行った。


ちょうど食べ終えた私も、部屋に戻ることにした。



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