* KING+1 *
久しぶりに戻った部屋は 自分の部屋なのに、誰か知らない人の部屋のようで落ち着かない感じだ。


何だかかんだと、先輩がいない部屋は すごくつまんなく静か過ぎて困る。


全然二人でいたって 甘くも居心地良いとは言えないけれど、私の場所が確かにあそこにはある。


───と、思っているのは私だけだ。先輩に拒否されるまでは、あの部屋にいようと思う。出来るだけ長く居られたらいいなと 願うしかない…


色々考えて、グルグルと回る考えにすっかり疲れてしまい、布団に横になっていたせいか、知らない間に夢の世界に旅立った。


ピンポン…ピポンピポン…

んっ?玄関?


あっ…いつかのデジャブっじゃなくって…これ絶対 1人しかいない…

玄関開けたら すぐ先輩が…ってパターン。

はいはい、私には何処の世界にいても、自由になる時間はないんだ。

諦め少し…でも良く考えれば 先輩は私が1人では戻れないってわかってて、迎えに来てくれたんだと、自分が幸せになれる考えに 甘く転換した。


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