* KING+1 *
「皆さん、お疲れ様。楽しんでる?」


目が合うと、キラーウインクを惜しげなく私に向けてお見舞いする ちょっとチャラい副社長の対応に困る。


「キャア//」


イケメン大好物の柚ちゃんのハートは撃ち抜かれたみたいだけど、私の琴線はピクリとも揺れない。


「杏果、そろそろ帰ろうか?」


と、誤解極まりない恋人みたいな扱いをするとか、とんでもない人。


「安藤さん、副社長からパワハラとか受けてないの?」


小声で心配をする須藤さん。


「はい、昨日まではギリセーフではありましたが、私の勘違いではない限りヤバいですよね?」


「ほら、俺を見る目が半端なく怖い。気を付けて帰って!」


「ありがとうございます。頑張ります。」


副社長と帰るため、皆さんと挨拶をして店を出た。


「杏果、日本でも人気者なんだね。俺は何処に君を連れ出せば独り占め出来る?」


イケメンは何を言っても許されると思っているのだろうか?ちょっとこの人ヤバいなと思いながら、大人しく副社長の車に乗り 今日から変わる宿泊先に向かった。



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