メールチェッカー 【1】
「……あたし、別に見やしないけど。
でも逆に何もやましくないなら見たって構わなくない?」
来た、来た。
関口は萌香の言っていたことを思い出していた。
はやる気持ちを落ち着けながら、少し考える素振りをした。
「そうだけど、それまた逆に、疑う気持ちがないなら見る必要なんてないよな?
第一、人の持ち物を勝手に見るって行為を正当化するような時点でどうかしてるよ」
葉子はどう返事をするだろう。
胸が高鳴る。
つけっぱなしのテレビの画面は、浮気相手の家に乗り込んでいくクライマックスのシーンへと移っていた。
テーブルの上のポテトチップを一つつまんで葉子は小さな声で言った。
「まあね。でもね、現実はそんな小さい事する女もいっぱいいるってことよ」
まるで他人事だ。
それはオマエのことだろう、と関口は心の中で怒りを爆発させた。
もう少しで口をついて出るところだったが、なんとか堪えた。