メールチェッカー 【1】
葉子は今まで通り、週に一度関口の家に来ては泊まって帰って行く。
この日もコンビニ弁当の夕飯の後、いつものように二人並んでテレビを見ていた。
特番の「女の修羅場スペシャル」というなんともおどろおどろしい番組だ。
関口はあまり気が進まなかったが、横の葉子があまりに真剣に見入っているので、チャンネルを変えたいと言えなくなってそのまま一緒に見ていた。
場面は女性が携帯を盗み見るシーンが流れている。
あることを思いついた関口は、少々危険な芝居を打つことにした。
「なあ、葉子はあんなことなんかしないよな」
一瞬葉子の顔が固まったが、すぐに普通に返事を切り返してきた。
「当たり前じゃない、なんで見ないといけないのよ」
「だよな。オレも葉子がそんなことしないってわかってるけどさ。
もしそんなことする人だったらたぶん一緒に居られないや」
あくまで、葉子が今現在既にそれを行っているとは気付いていない設定だ。
精一杯哀愁に満ちた顔を作りながら関口は軽いため息をついてみせた。