メールチェッカー 【1】
「ねえ、最近はすごいのよ。
前は一日一通だったのに、今じゃ来る日は三通も来るようになって。
なんだかかわいそうなくらい必死よ」
関口と萌香は、二つ隣り街のカラオケボックスにいる。
アルコールと軽食を並べ、歌も歌わずにタバコをふかしていた。
「このごろ、わざと隙を作ってやってるからな。
アイツはチャンスだとばかり、どんどんメールを送ってるんだ」
「へえ、じゃあわざと送信させてるってこと?」
「まあそんなとこ。
アイツは我慢が苦手なんだ、いつか絶対ヘマをするから。
それまで萌香に迷惑掛けるけど頼むよ」
萌香は格段に頭が切れる。
短気な葉子とは大違いだ。
葉子は失敗しても萌香に失敗など絶対にあり得ない。
間違って偽装メールに返信することもないだろう。
しなびたフライドポテトを一つつまむと、関口は上機嫌で得意な曲を入れた。