メールチェッカー 【1】

「ねえ、最近はすごいのよ。

前は一日一通だったのに、今じゃ来る日は三通も来るようになって。

なんだかかわいそうなくらい必死よ」


関口と萌香は、二つ隣り街のカラオケボックスにいる。

アルコールと軽食を並べ、歌も歌わずにタバコをふかしていた。


「このごろ、わざと隙を作ってやってるからな。

アイツはチャンスだとばかり、どんどんメールを送ってるんだ」

「へえ、じゃあわざと送信させてるってこと?」

「まあそんなとこ。

アイツは我慢が苦手なんだ、いつか絶対ヘマをするから。

それまで萌香に迷惑掛けるけど頼むよ」


萌香は格段に頭が切れる。

短気な葉子とは大違いだ。

葉子は失敗しても萌香に失敗など絶対にあり得ない。

間違って偽装メールに返信することもないだろう。


しなびたフライドポテトを一つつまむと、関口は上機嫌で得意な曲を入れた。

< 39 / 60 >

この作品をシェア

pagetop