Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
「ありがとう」

俺が弁当箱を受け取ったことを確認すると、斎藤ゆめのははにかんだように笑ったのだった。

彼女が俺の昼食を心配して弁当箱を持たせるようになったのは、今から5日前だ。

俺が勤務している会社は商業ビルの中にあり、その中に入っている飲食店やコンビニで昼食をとっていた。

それを夕食時の時に話したら、
「それで、大丈夫なんですか?」

斎藤ゆめのは驚いたと言うように聞き返した。

「大丈夫だけど、君は今までどうしていたんだ?」

そう聞いた俺に、
「わたしはお弁当を持って行っていました」

彼女は答えた。

「なるほどな」

確かに弁当ならば栄養バランスは整っているし、何よりお金はそんなにもかからない。

…んっ?

ふと、俺の中にある考えが浮かんだ。
< 19 / 125 >

この作品をシェア

pagetop