Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
よりもよって、こいつが真っ先に気づいたのかよ…。

別に玉村が嫌いと言う訳ではないのだが、俺は彼に苦手意識を感じていた。

180以上はある長身のうえにスタイルがいいため、ここへ入社する前はモデルをやっていたんじゃないかと言う噂があったほどだ。

髪の中間から毛先にかけてゆるやかな動きを与えているパーマがかかった黒髪は、チャラいと言うよりも色気と言うものを感じる。

“ソース顔”と呼ばれる日本人離れした顔立ちに人懐っこいその性格は、俺とは正反対だ。

「まあな」

俺は玉村に返事をすると、弁当箱を開けた。

今日はゴマ塩ご飯にたまご焼き、ホウレン草とベーコンの炒め物、プチトマト、こんにゃくの肉巻きだった。

「最近、作り始めたんですか?」

玉村はそう聞くと、俺の隣に腰を下ろした。
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