Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
「だから言いたくなかったんですよ」

「でも、こう言うのは早めに言った方がいいじゃないですか。

もし本当にそうだとしたら…」

星崎と森脇が言いあっている。

「…俺は、大丈夫だ」

そんな彼らに向かって、俺は言った。

「話はそれだけか?

俺はもう戻るぞ」

「あの、無理をなさらない方が…」

声をかけてきた星崎に、
「大丈夫だ」

俺は言い返すと、オフィスへと足を向かわせたのだった。

何なんだ、これは…。

胸の中を渦巻いている奇妙なそれに、俺はどうすることもできなかった。

俺は何を気にしているんだ?

彼女が何をしようがどうしようが、俺はいちいち干渉しないと条件を出したはずだろう?

なのに、俺は何をしているんだ?
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