Happy?~結婚生活は甘くて危険がいっぱいです~
半分ヤケクソ、半分テキトーである。

正直なことを言うと、知ったこっちゃない。

「会う口実みたいなのを作って、ありのままの気持ちを彼女に打ち明ければいいんじゃないですか?」

「会う口実、ですか?」

「例えば…仕事のこととか」

「そうか!」

玉村さんはポンと手をたたいた。

古典的過ぎだ。

その様子だと、思いついたみたいだ。

「来週辺りに会社の近くで祭りがあるんです。

それに貝原さんを誘えばいいんだ!」

玉村さんはいいアイデアが出てきたと言わんばかりの顔をしている。

「俺、頑張ります!

貝原さんを誘って、貝原さんに気持ちをぶつけます!

奥さん、ありがとうございました!」

体育会系よろしく玉村さんは頭を下げてお礼を言った。

まあ、頑張んなさいね…。

彼のその様子に、わたしはそう言ってやることしかできなかった。

 * * *
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