次期国王はウブな花嫁を底なしに愛したい

オルキスはリリアのそばで膝をつき、背中へと手を回して優しく抱き起こした。

リリアはゆっくり目を開けて、少しずつ手を伸ばし、オルキスの頬に触れる。


「……オル、キス、さま?」


触れた後、リリアはわずかにほほ笑んで見せるも、仕草と声音から目がよく見えていないのがしっかりと伝わって来て、オルキスは力いっぱいその身体を抱きしめた。

近衛兵からボンダナを取り返したアレフが、ハッとし視線を移動させる。

床に落とされていた近衛兵の槍を掴み取ったオーブリーがオルキスへと向かっていくのを見て、「オルキス様!」と大声で叫んだ。

アレフの呼び声に反応しオルキスが顔を上げるのと、オーブリーがオルキスめがけて穂先を突きだしたのはほぼ同時だった。

オルキスがリリアを支え持つ手に力を込め、鋭くオーブリーを見据えた時、刃と刃がぶつかる音が響く。

セドマはオーブリーの手から槍を弾き落とすと、オルキスとリリアを守るようにふたりの前に立ち、剣を構えた。


「リリア! しっかりしろ!」


顔を歪めて苦しそうに呼吸するリリアにオルキスは精いっぱい声を掛ける。

今すべきことはなにかと必死に考え、ふっと頭に浮かんできた人物をオルキスは振り返り見た。


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