次期国王はウブな花嫁を底なしに愛したい

オーブリーのこともそうだ。

学ばせてくれとボンダナの元を訪ねてきた当初から、オーブリーはソラナとそりが合わなかった。

呪術師としての素質はあると感じ、ボンダナはオーブリーを傍に置くことにしたが、彼の歪んだ思想を垣間見て危険と判断したソラナは早急に立ち去ることを求めたのだ。

そしてぶつかり合ううちにオーブリーは苛立ちを募らせ、爆発した。

様々な植物から毒を抽出し調合したものを、ソラナの食事に混ぜたのだ。

ソラナはすぐに違和感に気付き、大事には至らずに済んだが、それと共にオーブリーも姿を消してしまう。

しばらく経って、王妃の傍らに現れ出たオーブリーは、今度はリリアへと牙を向け……今また姿をくらました。

しかしオルキスとセドマが全力で行方を探しているため、見つかり罰せられるのも時間の問題だとボンダナは笑う。


アレフもまた話題の一つとして、オーブリーの行方についての予想を口にしていた。

セルジェルが自ら、山賊の出没で情勢が悪化しているアシュヴィ北部の地で指揮をとらせて欲しいと願い出たことで、王はエルシリア王妃に命令を下した。

セルジェルと共にモルセンヌを離れよと。


< 220 / 224 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop