彼氏売買所
「コーヒーでもどうだ」


そう言われて、あたしはおずおずと頷いた。


早く帰って彼氏たちとのメッセージを始めたかったけれど、少し休憩して行きたい気持ちもあった。


ホスト風の男は岡蓮人(オカ レント)と名乗った。


本当の名前かどうかわからなかったけれど、そんなことどうでもいい。


入れてくれたコーヒーは美味しくて、心がほぐれて行くような感じがした。


「どんなバイトで稼いでる?」


そう聞かれてあたしは押し黙った。


両親には工場だと伝えてあるし、うかつな言は口走れなかった。
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