惚れ薬
店員さんの声のトーンが低くなった。


そしてあたしの顔をマジマジと見つめる。


「そうか、君にならピッタリかもしれないな」


そう言い、小瓶を手に取った。


「綺麗……」


「これはアロマでも香水でもない、惚れ薬だよ」


「……え?」


店員さんの言葉に一瞬遅れてあたしはそう聞き返した。


あたしのことをからかっているんだろうか?


昨日の占い師から話を聞いていて、この小瓶を売りつける気かも知れない。


そう思い、警戒して後ずさりをした。


「この薬を一滴飲ませるだけで、相手は君のことを好きになる」
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