惚れ薬
「でも、一体誰に試してみるの? 航は嫌だよ?」


あたしは早口にそう言った。


もしも航になにかあったら、きっと耐えられない。


「そうだなぁ……」


初美は品定めをするようにクラスメートたちへ視線を向けた。


「ちょっと、クラスメートはやめようよ」


真弥が慌ててそう声をかけた。


「どうして?」


「どうしてって、みんな仲良いし、なにかあったら絶対に疑われるって」


「でも、これを飲ませるってことは、相手の飲み物に入れるってことだよ? 見ず知らずの人にそこまで近づく事ができる?」
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