惚れ薬
「それなら、試してみればいいじゃん」


小さな声でそう言ったのは初美だった。


あたしは驚いて初美を見る。


「試すって……誰かに飲ませるってこと?」


「当然」


あたしの質問に初美は頷く。


「でもこれって、体に入れていいのかな?」


真弥は慎重な様子でそう言った。


確かに、中身が猛毒である可能性だって、ゼロじゃない。


「大丈夫だよ。青花はこれを惚れ薬だって言われて貰ったんだよね? 体に害があるなんて誰も思ってなかった。あたしたちに罪はない」


初美はそう言ってニヤリと笑った。
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