惚れ薬
「え、あ、ごめんなさい。声に出てましたか?」


慌ててそう聞くと女性は左右に首を振った。


「私には見える。それだけよ」


見える……。


その言葉を信用していいのかどうかはわからない。


でも、ペテン師じゃないことは確かみたいだ。


航の事を簡単に諦める事なんてできないけれど、他の人を探してみてもいいのかもしれない。


「ありがとうございました」


あたしは女性にお礼を言い、小屋を出たのだった。
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