惚れ薬
あたしはそう言い、運ばれて来たチョコレートパフェをほおばった。


真弥はさっきからパフェに乗っているフルーツと格闘している。


「両想いになるだけじゃなくて、もっと他のことにも使えそうだよね」


あたしがそう言うと、真弥が「例えば?」と、聞いて来た。


「今回みたいに簡単にお金を稼ぐことができるかも」


そう言い、テーブルの上にさっきの5千円札を置いた。


「それって最高」


真弥は笑う。


航と両想いになれることは憧れだ。


でも、それはもう後回しにしてもいい。


この薬を上手く利用して大量に稼ぐことができれば、航よりももっといい男と出合えるかもしれないんだから。
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