監禁少女
「千恵美なんてやめなよ」


甘ったるい美世の声だ。


「どうしてそんなこと言うんだ?」


冬夜は怪訝そうな表情を美世へ向けている。


そうだ。


この時冬夜は美世のことなんて好きじゃなかったんだ。


学校の中でも、唯一美世に媚びない男子生徒だった。


だからこそ、美世は冬夜のことが気になりはじめていたんだ。


「だってあの子、すごいことしてるんだよ?」


「すごいこと?」


「援助交際」


美世の言葉に冬夜が目を見開いた。
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