ジンクス
間一髪。


あたしは鞄を床に置いてベッドに寝転んだ状態で先生を見ていた。


「あら、朝からどうしたの?」


白衣を着ている保険の先生はあたしを見て目を丸くしている。


「ちょっと、体調が悪くて」


緊張を悟られないようにそう答えた。


先生はあたしに近づいてくる。


鞄に近づくにつれてあたしの心臓はドクドクと早鐘を打つ。
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