ジンクス
健はなんて答えてくれるだろう。


そう思って聞き耳を立てる。


スーパーのBGMも聞こえないくらい、集中する。


「は? 付き合ってねぇよ」


聞こえてきた声に一瞬時間が止まってしまったような感覚になった。


あたしと健は付き合ってない。


だから健の答えは間違っていない。


でも……。


なぜだかあたしの胸はひどく傷んだ。


あたしは誰にも気が付かれないよう、その場をそっと後にしたのだった。
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