あしたの星を待っている
あぶない、怪しまれるところだった。
下手に拒むと先輩は逆上しやすいから危険だ。もし力づくで抑えられたりしたら、本末転倒。勇気を出してここまで来たことが無駄になってしまう。
先輩の機嫌を損ねず、何としても証拠品を手にしなくては。
「先輩も、ジュースどうぞ」
「ありがとう」
手渡す瞬間、指が触れた。
ベッドに腰を掛けている先輩は、ジュースを一口飲み、ニコッと笑う。
良かった、まだ怒ってない。
「ケーキも美味しそうー」
「あれ、花菜って生クリーム苦手じゃなかった?」
「え、」
どうして、それを?
というか、知っててこのケーキを持ってきたの?
「花菜、おいで」
「っあ!」
腕を掴まれたと思ったら、そのまま後ろに引っ張られ、バランスを崩した私の体は先輩の膝の間にすっぽりと入ることで収まった。
びっくりなんてものじゃない。
心臓が暴れ出しそうなくらいバクバクいって咄嗟に逃げようとしたけど、後ろ抱きにされて身動き1つ取れない。