あしたの星を待っている
え? 瑠偉くん……?
戸惑う私を他所に、瑠偉くんは肩に乗せていた土の袋を地面に落として、これ全部やらなきゃいけないんですよ、と別の人が運んできた黄色い花を指さした。
いや、でも私、合宿中だし。
返事に困っていると、先輩に肩をポンと叩かれた。
「そういうことなら手伝ってあげたら? 女バスのキャプテンには俺から伝えとくよ」
「わかり、ました」
じゃぁまたあとでね、と笑顔の先輩にホッとする。
姿が見えなくなるまで見送って、知らずと出た溜息に首を振った。
よかった、いつもの先輩に戻っている。
だけど、あとでちゃんと謝らなきゃ。
もう随分と外にいたせいで日焼けしてヒリヒリする肌をさすりながら、常緑樹の陰にいる瑠偉くんの方へと近寄り声を掛けた。
「何をしたらいい?」
「穴を掘っていくから、花を入れていって」
「分かった」
ざくっとスコップが土を掘る音がする。
等間隔に穴を開けていく瑠偉くんは暑さを感じないのか汗ひとつかかず、長袖のジャージも袖を伸ばしたままだ。
花を入れたら土を被して水をかけて、その単純作業が心を落ち着かせてくれた。
「瑠偉くんって、いつ園芸部に入ったの」
「入ってない。今日はたまたま頼まれただけ」
「たまたま?」
「図書室に借りてた本を返しに行ったら、後藤に捕まったんだよ」