幼なじみとの恋は波乱で。(仮)
なんてことを思った、その時。


キーンコーンカーンコーン

チャイムが鳴った。


「あ、じゃあ俺そろそろ帰るな」

「ん」


ホントこのチャイム、

いつも会話が途切れた瞬間に鳴るよね。


晴翔が教室を出た後に、

そんなことを考えながら1人で苦笑する。


…………。


晴翔に彼女か……。


なんだろ、なんか変な気分。


信じられない、っていうか、

それとは違う。


なんだろう。



悲しんでるとか、そんなのじゃないよね?


まさか。

ありえない。


…………。


そのまさか?

嘘でしょ?


あー、落ち着け、自分。

冷静に考えて。



そうか。


奏も晴翔も彼女できてんのに、

私だけまだ彼氏いないから…?


だから、悲しいのかな…。


なんか、わかんない。



何か大切なものを

奪われたような感覚に陥っている私。


その原因は、きっと晴翔。


晴翔が他の人と付き合ったりするから…。


…………。


何言ってんの、私。


晴翔が誰と付き合おうが

関係ないじゃん。


晴翔は、ただの “幼馴染” 。


私の “好きな人” は、奏。


小さい時から、ずっと、ずっと--------。


私は、奏が好きなんだ。
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