あいしてる。
その日の夕飯のとき、
僕はお母さんに聞いてみた。




「ねぇ、僕のこと好き?」




お母さんは
ビックリしたような顔をして



「大好きにきまってるじゃない」



と言った。





「どうして?」



お母さんはちょっと考えて
こう言った。




「理由なんてないわ。
 あなたの存在そのものを
 あいしているから」





僕はうれしかったけど
ネコを思い出して
少しかなしくなった。



チィを見ると
チィはテレビの画面を
ジッと見ている。




「僕、チィのお母さんに
 なれるかな」



僕がそう言うと
お母さんは



「お母さんにはなれないわよ。
 チィのお母さんは
 世界でたった一人だもの」

と言った。




チィをまた見ると
さっきと同じチィの背中が
なんだかかなしそうに見えた。
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