毒舌社長は甘い秘密を隠す
三度目にお邪魔した社長の部屋には、出張から戻ったばかりだからか、荷物やお土産が置かれたまま。
何度か連絡をくれていたし、私をすぐに迎えに来てくれたのかもしれないなんて思ったら、ちょっと嬉しくなった。
「私の荷物はどこに置いたらいいですか?」
「あー……それなら、こっちだな」
看病のために来たとき、この部屋の間取りは大体見た。
左右に分かれている廊下の先には、それぞれ水回りがあって、ゲストルームもあったはず。
だけど、私の荷物を軽々と持った彼は、主寝室のあるほうへと進んでいく。
「ここ、ですか?」
「これから毎晩一緒に眠るんだから、ここに荷物があったほうが楽だろ」
「一緒に眠るなんて聞いてません!!」
「言ってないから当然だ」
驚いている私を一瞥してリビングに戻っていく彼を追う。
「秘書が一緒に寝るなんて、どうかしてます!」
「嫌なら、リビングのソファか寝袋」
一緒に眠るなんて、絶対にあってはならないことなのに!
社長はそういうことを考えないのかな。