毒舌社長は甘い秘密を隠す

「空いている部屋を使わせてください」
「別々に寝る必要はない。君がここにいる理由を忘れたのか?」

 会社で業務を指示するような口調で、淡々と話す彼と見つめ合う。
 一緒に眠れるのは嬉しいけれど……さっきのキスだって、彼の気持ちが伴わないなら期待させないでほしい。


「沢村さんは理解が早くて助かるよ」

 黙っていると勝手に話が進んでしまい、リビングのソファに腰かけた彼が私を手招いた。


「なんでしょうか?」
「せめて土産くらいはと思って買ってきた」
「えっ、お土産! 嬉しいです!」

 昔からプレゼントには弱いほうだ。ちょっとくらい機嫌が悪くても、好きなものをもらったり食べたりすれば、怒っていたことを忘れてしまう。
 でも、好きな人からのプレゼントは、女の子なら誰だって嬉しいはず。

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