毒舌社長は甘い秘密を隠す

 それから、個人的な憧れも含めてしまったけれど、一般的な女子ウケのいい部屋のイメージを伝えた。
 九条さんのような人でも、大切な人と暮らす物件となると、悩んでしまうようだ。


「それとプライベートのことなので、彼女と住むことは井浦さんには言わないでもらえると助かります」
「かしこまりました。私にだけお話くださったということで心に留めておきます」

 三十分ほどすると、彼は丁寧にお礼を言ってから社を後にした。

 九条さんは紳士的だし、話し方も棘がない。
 いつもは忙しない午前中のひとときが、彼と話しただけで華やかな時間に変わった気がする。


 自席に戻ってメールチェックをしたら、社長から一通届いていた。

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