毒舌社長は甘い秘密を隠す
「いいけど、俺が話すとなると、質問ばかりになると思うよ?」
「質問?」
「好きな男の条件とか、タイプとか」
「っ!!」
まさかそんな話題を振られるとは思っていなかったから、カトラリーを持ったまま彼を見つめてしまった。
好きなタイプは、まさしく目の前にいる彼だ。
でも、私がこんなにも好きでいるなんて言えるはずもなく、秘密にしておくべきだろう。
「恋人に選ぶ条件は?」
「外見ですか? 内面ですか?」
「両方」
「……背が高くて、ふと笑うとかわいい時もあって、できればカッコいい人がいいです」
「それって、俺のことじゃん」
自信満々の相槌を返されて口ごもる。身の程知らずな我儘な条件を付けくわえたら、カムフラージュできるかも。
「あとは、優しくてちょっと強引で、仕事ができて人望もある素敵な人がいいです。尊敬できて、時々は叱ってくれるような大人の人です」
「なるほど、つまり俺ってことか」
少し早口で焦りながら付け加えたけれど、咄嗟に出てきたのは頭に浮かんでいた彼のイメージで、そう言われるのも当然だ。
だけど、肯定もできなくて、グラスを傾けて白ワインでごまかすしかなかった。