毒舌社長は甘い秘密を隠す
「社長こそ、特別な女性はいらっしゃらないんですか? こういう時に連絡して甘えられるような」
「……想像に任せる」
ぶっきらぼうな返事から、そんなことをいちいち言わせるなという雰囲気を感じ取った。
それと同時に、やっぱりいるのかと少し落胆する気持ちにハッとする。
「あ、あの」
「なんだ?」
動揺する胸の奥を悟られないよう、必死で話題を探す。
沈黙が気まずくて、先に声をかけてしまった。
だけど、曖昧な間を取っている私を見つめる社長の瞳は、体調のせいで随分と熱っぽくて視線をそらした。
「社長は、アルパくんのような触感がお好きなのですか?」
「あぁ……まぁ、好んでいる。落ち着くからな」
だからって、アルパくんと添い寝したり、アルパカの抱き枕を持っているなんて。
それに、寝室の様子だって、彼からは想像できないものだった。