桔梗の華 ~途中公開~

解放された神威



パンっと弾けた音と共に
御神木の御札が光り輝く
その光の中から黒い袴を着た男が現れた

闇雲は御神木から距離をとり
様子を伺う、そのおかげで
触手の力は緩まり思いっきり空気を吸い込む



「さ~て…やっと自由だ」

神威はポキポキと肩を鳴らした
息を整えて神威を見ると
銀色の髪に猫耳?耳が生えていて
ピクピクと動いていた

見た感じ歳は私と変わりなさそうで
強気な顔が闇雲を見据える


「俺の勾玉だ、横取りするならぶっ殺す」

鋭い爪で闇雲に威嚇する神威
闇雲は余裕な顔で触手に合図する

神威目掛けて触手が飛びかかるが
鋭い爪で切り裂いていく


私はありえない現場を目の前に
冷や汗が止まらなかった。



この状況なんなのよ…
ハッ!瑞様は?!瑞様は無事なの?
村の方を見ると瑞様の張っていた結界は
無くなっていて大量にいた妖怪もいなくなっていた



「おい翠子!その勾玉大事に持っとけよ」

神威が闇雲と戦いながら私に?叫ぶ

ちょっと!誰が翠子よ!私は桔梗よ!

なんて言い返せるような状況じゃなく
闇雲と神威の戦いを唯見てるしか出来なかった






「半妖のくせに我に勝てると?」

「はっお前に負けるほどヤワじゃねー」


激しい戦いに私はどうすることも出来ず
ポケットに突っ込んでいた勾玉を強く握る


油断していた。


闇雲の触手が私目掛けて突っ込んでくる
きゃっと咄嗟に目をつぶって身を固める

「おいっ!」
「いやぁぁぁぁぁあ!!!」

神威の声と同時に私の目の前で
闇雲の触手は弾かれて、触手は粉々に
落ちていき闇雲が私に手を伸ばそうとすると
私の体から光が放って闇雲を包む


「…くっ」


闇雲の身体が半分削られていき
咄嗟に私から距離を取り黒いモヤが
闇雲を囲った。

「小娘…貴様。必ず勾玉は手に入れる」


怒りの含んだ声だけが残り
闇雲は黒いモヤと消えていった


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