桔梗の華 ~途中公開~
私一体どうしちゃったんだろ
私から光が出たと思ったら
その光で闇雲は深手を負った。
「おい翠子、てめーわかってんだろうな」
呆然としている私に敵意剥き出しに
近寄ってくる神威にイラっとした
「あのね、私は桔梗!翠子じゃないんだけど!きーきょーう!」
「は?どう見てもみどり……こ…じゃねえな」
「当たり前でしょ!」
「誰だろうと関係ねえ、その勾玉よこしな」
グイッと鋭い爪をした手を私に向ける
「あんたも悪いことに使おうとしてるんでしょ!」
「俺は大妖怪になるんだよ!早くよこせ!」
勾玉を両手でぎゅっと握り神威を睨む
今にも切り裂かれそうな空気
「なんじゃ、神威を解放したのか?!」
背後にボロボロになった瑞様が
驚いた顔で私達を見ると
黒い数珠を腕に巻き出した。
「なんだババア?邪魔するなら切るぜ?」
爪を瑞様に向けだし
私から視線を逸らした神威
瑞様は黒い数珠に言霊を唱えて
数珠は上空で散らばり神威へと向かう
避けきれなかった神威の足首に黒い数珠は
絡まり、瑞様がまた何かを唱え浮かび出た
【印】の文字が私のうなじに張り付いた。
「てめ!ばばあ!なにしやがった!」
「ババアじゃない瑞じゃ、その数珠には従術を掛けた。桔梗のうなじには従者の証を刻み神威が桔梗に手を掛けようとしても殺気を感じておぬしに跳ね返るようにした。」
「ふっざけんなばばあ!」
物凄く怒っている神威は私に向きを変えて
爪を振りかざそうとする、
でも瑞様の言った通り神威の体は弾き飛ばされた。
「おー、ちなみに桔梗から遠のいても術は効くぞ。」
「どーゆーつもりだばばあ!!」
「なあに、勾玉が再び復活したんじゃ主は昔の悪行含め改心の罰を与えた」
「瑞様…それって」
「神威には桔梗、いや勾玉を持つ桔梗を他の妖から守ってもらう。そーゆことになるな」
ぎゃーぎゃーと叫び続ける神威に
まったく動じない瑞様
でもこの神威って半妖も勾玉を狙ってるんだよね
なんでこんなやつに?
「神威…翠子様は亡くなった」
ピタっとさっきまで騒いでた神威が止まった
「へえ~あの女も所詮人間か」
ふんっと笑った神威を見つめる瑞様
私はまったく理解出来なかった。
この半妖と翠子様の関係と…
瑞様はなんでこんなやつと私に
術をかけたのか。