桔梗の華 ~途中公開~

神威と桔梗




蘭丸と凛丸を加えて柏埜山を目指して
旅が始まった…
あの後帆は泣きながら私たちの元に来て
慰めたのだけれど…凛丸にからかわれて
神威にも怒られて散々な帆

蘭丸は唯一の味方らしく懐いてしまった
いつも蘭丸の肩にのって偉そうにしてる



妖怪に襲われるのは相変わらずだけど
神威と2人が倒してくれる
でも私はまたいつも通りなにもできないまま

ちょっとそれが悔しい


「ところでさ~勾玉は最後の巫女が封印したんじゃないの~?なんでまたこうやって現れたんだろうね~」

凛丸のしゃべり方は相変わらずだ

「翠子様は亡骸と一緒に勾玉も封印したって、聞いたんだけど…」

ちらっと神威を見ると
やっぱりどこか切なそうで
そんな私たちを凛丸はふむふむと
遠巻きに頷いていた

「とりあえず柏埜山に行ってみてじゃないと分かりませんよね」

蘭丸の言う通りだ
瑞様みたいにまだ巫女がいるなら
きっと私の事も気づいてるはず




「なあ、お前は力が使えるようになったら勾玉を封印するのか?」

隣を歩く神威は真剣な顔で聞いてくる

「うん、こんな恐ろしいものやっぱりあっちゃいけないと思う。」

「そっか」

「まだ狙ってるの?そんなに大妖怪になりたい理由ってなに?」

「もー狙ってねーよ、そんな事お前には関係ねえ」



ズキっと胸が傷んだ

関係ない…

突き放されたんだ私
やっぱり翠子様が関係してるから?
私といるのは翠子様と重ねてるから?

私の心に闇が広がっていった…


神威はきっと、翠子様が好きなんだ
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