桔梗の華 ~途中公開~
「お前凛丸が好きなのか」
え?なに急に…
私に見向きもしないで
遠くを見る神威
「仲間としては好きよ」
私も無限に続く原っぱの方へ目をやる
「俺は別に重ねてえ」
「え?」
「だから!気にしてんだろ?重ねて見てねえ」
あぁきっと翠子様の事かな
馬鹿な神威にしては気になってたんだ。
そんなに私の様子おかしかったのかな
「うん、分かった」
「俺はお前を守りたいと思った」
へ?!
ほんとにどうしちゃったのこいつ?
「気になったんだよ。勾玉を封印したらお前が消えちまうんじゃねーかって。だから聞いたんだ」
「私が消える?」
「翠子の力でもいまこうやって勾玉が復活したんだ。勾玉の力は計り知れねえ、だからもしお前が勾玉に取り込まれたらって…」
「心配してくれてるの?」
そっぽを向く神威は少し照れてるようだ
「ありがとう神威…」
私も素直になって神威の肩に寄りかかる
嫌そうな素振りはなくて安心した
「だから俺はお前を守るよ」
そっぽを向きながら優しい声で言う
「うん…頼りにしてる」
しばらく神威と心地いい風に当たる