桔梗の華 ~途中公開~

廻る歯車

「あ!神威!凛丸!」

鳥居で眠っていた神威と凛丸を起こそうと
駆け寄るとンンっと2人は目を開けた。

桔梗の姿と後ろにいる老女を見る
体を起こしてグーと腕を伸ばす凛丸
神威は桔梗の肩を掴んで安否を確認する

凛丸と老女が目が合うと
老女はニコリと微笑む。

なんだあ?

ポリポリと頬をかいた
桔梗は神威と離れ老女に近ずく
後ろ姿を見ると髪を1つに縛って
桔梗の花の髪飾りがキラリと光る



俺らが寝てる間何かあったのか?


「神威!凛丸!この方は埜鶴子様!」

桔梗が嬉しそうに老女の紹介をする
この人が白埜山の巫女か
巫女って歳かよ〜

なんて心に思ってたら微笑んでいた埜鶴子の
表情は冷たい笑に変わってブルっと寒気がした。

「おや?貴方は半妖ね。私の花で妖力が取られちゃったのね」

埜鶴子様は神威の姿を見て
ふふと円を書くように笑った

「戻るのか?」

人間の姿の神威を赤い顔して見つめる桔梗

っち、面白くねえ

「ええ、戻るわ。その前に貴方達にも話があるわ」
「え?」

埜鶴子様の言った言葉に1番驚いたのは
桔梗だった。
いや、俺も神威もビックリしてるけどよ…

「そうね。貴方は宮古に入れる事は出来ないから少しした所に水殿があるから其処で」

神威と俺は顔を見合わせて
優雅に歩く埜鶴子様の後ろをついてく
桔梗も付いてこようとしたが
「貴方は私の式神から勾玉を受け取りなさい。少し宮古でゆっくりするといいわ」

埜鶴子様がそう桔梗を止めた

遠くなっていく桔梗をチラチラと振り返り
水殿へと付いていく。


「神威、凛丸、」

心配な表情で見送った桔梗は宮古の中へ戻る
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