桔梗の華 ~途中公開~

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「今日もかなり仕留めたな!」

ガッハッハッと笑う大人達の声

あ、そうだ

俺は凛丸と鈴音といつもの川辺で遊んでた

あれ?でも宴が開かれてる。

大人達が酒を酌み交わす様子を
ボーと見つめる

「凛丸!凛丸!」

袖を鈴音に引っ張られて
ハッと我に返る

「もー!どうしたの?ボーとして!」

ぷうとほっぺを膨らませ
頬は赤く紅の様に色づく

「わかんねー!蘭丸は?」

「蘭丸ならお父に呼ばれていないよ!」

鈴音の親父は妖怪退治屋の頭主
その右腕を務めるのが俺と蘭丸の親父
きっとお酌かなにかで呼ばれたんだな


俺と違って蘭丸は忠実で心優しい
俺は村1番のガキ大将で言うこと聞かないから

「鈴音ちゃんと今日も薬草の種類見分ける修行してきたんだよ!」

太陽のような笑顔を向けて褒めてくれと
言わんばかりに近づいてくる

「へ〜良かったじゃね〜の!」

ポンポンと頭を撫でると鈴音は
喜んだ顔を見せる

妹のような存在

鈴音が俺に好意を寄せていると知らずに
俺は鈴音を暖かく見守る

「明日も修行が終わったら蘭丸も呼んで遊ぼうね!」

ニコっと笑い、分かったと頷くと
大人達をすり抜けてどこかへ行く

俺はまたバカ騒ぎしている大人達を見つめ
この平和が続けばいいと子供ながらに願う
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