愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


ため息をついてデスクに突っ伏すと、頭にヒンヤリとしたものがトンっと優しく乗った。
なにかと思い、顔をあげると頭に乗ったソレは私の目の前に置かれた。


「コーヒー?」
「朝比奈、それ持ってちょっと一緒に来て」


後ろから鈴木主任がそう声をかけてきた。
前の席の同僚と目が合う。その目は同情の色を浮かべていた。その隣の席の先輩は小さくファイトとエールを送ってくる。


「今行きます」


重い気持ちで席をたった。鈴木主任がコーヒー片手に呼び出してくると、大抵はなにかやらかした時だ。
つまり、私は今回なにかミスをおかしてしまったらしい。

鈴木主任について、小会議室に入る。


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