愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


向かい合うように座ると、鈴木主任が軽くため息をついた。


「朝比奈。9月に行われる秋新作のイベント会場が押さえられていなかったそうよ」
「え?……あっ!」


ハッと目を丸くする。
いつもうちの会社が借りているイベント会場があり、新作が出るとそこでイベントショーを行うことがある。9月に行うことが決まっていたのだが。


「押さえ忘れたわね?」
「すみません!」


私は立ち上がって勢いよく頭を下げた。完全に忘れていた。


< 130 / 262 >

この作品をシェア

pagetop