愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


ジョンが去っていくと、玄関には私と真紀さんが残された。真紀さんはジーパンに長袖のVネックTシャツというラフな格好をしている。


「部屋に入るか?」


そう聞かれて、黙って頷いた。奥に行く真紀さんの背中を追いかける。
昨日引っ越ししてきたばかりのせいか、部屋の中は段ボールが多かった。しかし荷解きをしていた様子だが、ある程度は片付いているようだ。


「適当に座って」


そう言われて、ソファーに座る。このソファー、五年前に使っていたものと同じだ。
私の目線が物語っていたのか、真紀さんはコーヒーを出しながら苦笑した。


「急な引っ越しだったから、トランクルームを借りて家具はそこに入れていたんだ」


なるほど。だから全体的に見覚えのある物があったのか。
真紀さんはソファーに座らずに、ラグマットの上に座った。

「話を聞いてくれる気になった?」


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