愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~


懐かしい変わらない真紀さんの香りは混乱していた私の気持ちを落ち着かせてくれた。やっぱりとても居心地がいい。やっと収まるべき場所に身体が収まった気分だ。
そのまま軽々と抱き上げられ、寝室へ連れていかれる。


「今日は、五年間の穴埋めをさせてほしい」


そう言うと、私の返事も聞かずに何度もキスを落としてきた。どこかで、微かに怖がるような気持ちが見えた気がして、「私はここにずっといる」という気持ちを込めて、首に腕を回す。
私が受け入れたことで、さらに真紀さんは激しく私を求めてきた。


「里桜……」


切なげに名前を呼ばれるだけで、胸が苦しくなる。不安の苦しさではなく、満たされていっぱいになる苦しさだ。


「愛してる。里桜、愛してるよ」


吐息に紛れて何度も愛おし気に囁かれる。
途中からはそれに応えるので精いっぱいだった。言葉にならない分、キスで身体で自分なりに愛情を示す。
お互いの離れていた分の、寂しさや恋しさや切なさを埋めるように、時間を忘れてただひたすらに求めあったのだった。





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