愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
三年後。
「真紀さん、望が熱出したみたい」
『わかった、すぐ連れてきて』
職場に保育園から電話があって、慌てて迎えに行くと二歳になる娘の望が熱を出していた。ぐったりする望を抱っこしながら夫である真紀さんに電話を入れる。
あやしながら、藤堂クリニックへ行くと顔見知りになった看護師の佐藤さんが心配げに望の顔を覗きこんだ。
「あらら、風邪かしら」
「昨日、咳が少しでていたから多分そうだと思うんですけど」
待合室で順番待ちをしていると、『藤堂さん』とマイクで呼ばれた。診察室へ行くと、真紀さんが白衣で出迎えてくれる。
「望、熱出たのか」
「うん。37.7℃で咳も出ているみたい」
腕の中の望は父親の声に気が付くと目を開けて「パパ―」と甘えた。
「望、あーんしてごらん」
「あーん」
真紀さんは慣れた手つきで診察していく。