愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
すると、藤堂先生は急に「よしっ!」とポンッと手を叩いた。
「お詫びに飯でも付き合え」
「ご飯ですか?」
時計を見るともうお昼を指そうとしていた。ご飯にはちょうどよい時間だ。
「この前のランチみたいなのじゃなくて、せっかくなら大きな街まで行こうぜ」
なかば強引に用意をしてくるよう促される。
まぁ、お腹も空いてきたところだしいいか。
「心さん、呼びますか?」
「なんでわざわざ、今から呼ぶんだよ」
てっきり心さんも呼ぶのかと思ったが、逆に怪訝な顔をされる。
それもそうだ。わざわざ呼ぶのも悪い気がする。と言うことは、二人でご飯に行くの?
しかも、電車でわざわざ大きな街まで?
急に二人を意識して気持ちがそわそわする。なんだこれ?
「あの、でもっ」
「何? 嫌なのか?」
「そうじゃなくて……」
お詫びくらいいくらでもする。ご飯くらい奢りましょう。
でも、これって。これって。