恋を知らない
「何もそこまで――」
「恋なんて、しないように気をつけないといけないんだよ、おれたちは。おれの先輩で大学へ行っている人がな、この夏、マリアロボットの目を盗んで女の子と恋仲になった。それがバレて、中央の収容所へ送られてしまった」
「……」
「なあシュウ、おれたちって、なんのことはない、軟禁されている囚人にすぎないんだ。それでも、今はこうして自由に外を歩くこともできる。マリアロボット同伴が条件だがな。収容所へ送られたらそうはいかない。外との連絡もろくにできなくなる。そんなふうになりたくないだろ? だったらつつしめ。マリアロボットをとっかえひっかえチェンジして、ヤリまくればいい。だが、人間の女の子はダメだ。契約が切れるまでは、マリアロボットだけを見ていろ。いいな」
「……わかったよ」
しぶしぶそう答えると、やっと解放してもらえた。
トイレを出ると、マリアとカナがきびしい顔で待っていた。
「どうしたの?」
マリアの詰問にぼくが口ごもると、キョウが間髪を入れず陽気に答えた。