曖昧な私に珈琲を。
「どうしたの?こんなところで…傘も差してないし」

「…逃げてきたんです…」

「え?」

「今、私すごく酷い感情が溢れてて、こんな感情になった原因の人や、私を心配してくれた人からも、なにもかもが嫌で、逃げてきたんです…」

「…。そっか」

唯さんはそう言うと私の頭をポンポンと撫でてから少し笑って、それから傘から手を放して私を抱きしめた。
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