星降る夜空に祈りを込めて

「あぁ。それはみーんな俺が佳苗を追ってこの島に来てて、佳苗となんとか夫婦になりたくて奮闘してるのを知ってたからだよ」


サラリと言われた内容はとんでもなくて、私は思わず目を見開いて透悟さんを見つめる。


「なんで、そんな皆にオープンな感じになってるの?! 恥ずかしいぃ」


私がすっかり顔を隠すと、透悟さんはあっさりとしつつも嬉しそうに言う。


「だから、俺は隠してないって言っただろ? でもこの島の人達は皆優しいな。噂をしてても佳苗にはなにも言わないでくれていた。みんな俺達を見守っていてくれたんだ」


その言葉を聞いて、顔を上げれば照れるような、それでいて嬉しそうな顔をした透悟さん。
珍しいとその顔を眺めてしまう。


「佳苗。俺のせいで遠回りになって、悲しいことも沢山あった。だからこそ、この優しく温かい島で幸せになろう? 二人で」


この人は再会してから、どれだけ私を喜ばせて泣かせるのだろう。
手を繋ぐだけじゃ足りなくて、私はギュッと抱き着いた。


「透悟さん、ありがとう。出来るだけ長く一緒に居られるように、長生きしようね、お互いに」


そう告げれば、透悟さんは明るい声で返す。


「そうだな、俺が頑張らないとな。佳苗と長く居られるように」


ハニカミながら返された言葉に頷くと、ギュッと抱き締め返してくれた。


「あとは、あの子が帰ってくるのを一緒に気長に待とうか」


それにも頷くと、私達はまた自然と手を取り合って、温かく優しい私達の家へとゆっくりと歩いて帰るのだった。


Fin
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