iNG 現在進行形の恋【濃縮版】
「御飯まだでしょ?これ食べなさい」

目の前に出されたのは風呂敷にくるまれた大きな包み。

「シェフに作らせたの。仁君の分もあるから一緒に食べて」

わざわざ用意してくれたらしい。
これは断れない。




「今日はどうされたんですか?」

車に乗り込むと私は訊ねた。
仁のお母さんは無表情で私を見据えていた。

「私は後悔しかしていないから」

「え」

「あの人を選べなかった事。あの人を選ばなかった自分に」

私は大きな包みを持ったまま動きを止める。

あの人……きっと荻野さんのことだ。
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