恋?…私次第。~好きなのは私なんです~
「は、離して?…人が…ほら、見てる、から。離して…」
…。意識、してるからよ。
「応えてはくれないんだ…でも、突き放さないんだ…。練習したのに」
あの時も、…今も、物理的には無理でしょ?解ってるでしょ?
「俊佑君…」
「だから言い回しには気をつけてくださいって言ったんです」
…ごめんなさい。解放された。
「あ、もう、ここでいい。大丈夫だから。一人で帰れるから」
「そんな…今更な事言われても。前例があり過ぎます。まともに帰った事なんてありますか?…よろけたり、人にぶつかったり。貴方は何があるか解らない人だから。…一緒に居るんです。心配で一人で帰せませんよ」
「俊佑君…」
「今はまた…絶対考え事をしながら歩くでしょ?暗い夜道でこけたりしたら。そう思っただけでゾッとします。俺の納得の為に、このまま送らせてください。じゃないと、確かめにまた行ってしまいますよ?」
「はぁ…。とにかく、色々…ごめんなさい」
「じゃあ送りますよ?」
「…うん。…ごめん」
「…謝らないでください」
「ごめん」
「だから…、何もかもに謝られてるみたいで嫌なんです。…例えそうだとしてもです。…謝らないでください」
…。
「ちょっとラッキーでした、がっつり抱きしめさせてもらいましたから。…この間は…せっかく部屋に行ったのに襲えませんでしたから」
「え゛?もう…。それは…えっ?な、に…何を言って」
「あー、はいはい。よろけ対策に、手、繋ぎますよ?」
「あ、もう…またそうやって…」
「意味があるんだからいいんです」
「もう、狡くない?その言い方」
「その通りでしょ?直ぐ助ける為なんですから」
…。それだけ?本当に、それだけ?
「…そうね。お願いします」
「はい」
「俊佑君は…」
「はい?」
「とても気配りができるのね。気まずくならない…、切り返しが早くできる。賢いのね。頭いいのよ」
…。
「あざとい?」
「違う。気配りができるって言ったでしょ?…あ…」